恩讐。
母は産院でウヰスキーの小瓶を肌身離さないので
怒った婦長に追い出されたと言う
恐らくは悪阻の度に
アルコホルで痛苦を誤魔化していたのであろう
母は産まれた私に母乳を飲ませるときかなかった
まだ意識のない私が吸う乳首からは
ゆらゆらとアルコホルのかほりがした
ゆらゆら
ゆらゆらと
酩酊して私は生まれた
母は私に産湯を浸からせることも無理だったので
母方の祖母がわざわざあづさで上京してきて
年老いたその手で私を洗面器におよがせた
ゆらゆら
ゆらゆらと
白黒TVを見ながら私は泳いだ
東京オリンピックが始まっていた
母との暮らしは不安定なワルツのようで
彼女を世話し守るために私は無表情になり
ゆらゆら
ゆらゆらと
心も身体も振り回されて
私は泣いた
やがて年月は無情に流れて
母はその身を安楽椅子に委ねるようになり
彼女が消し忘れたガス台の炎が
ゆらゆら
ゆらゆらと
部屋を家具を燃やし始めていた
私は一切合切を詰めた鞄を持って
煙の篭もったドアを開けて
外に出て振り返らずに真っすぐに歩いて行った
くらし。
食わずには生きてゆけない
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所にちらばつている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙
春疾風。
春疾風がすごくて、窓に立てかけたたてすを、いくらなおしてもまた倒れてしまう。なので、しばらくはあきらめることにした。
これまで、馬鹿馬鹿しいと思っていたYouTubeをそれでひまひまに見ていて、(ちなみにこれまで音楽しか聞いていなかった、)一見あやしげなYouTuber達が、存外まともなことを言っているのでびっくりしている。学校の、道徳で本来きちっとおさえるべきところを、学校がおさえていないのだろう。
例えばの話なのだが、人を見るときその人の過去で判断しない。現在の肩書きに於いても判断しない。ただ、その人が未来へ向かって、何ができるかで判断すると、優秀な人と仕事ができるという。これはほぼ百パー私も賛成である。
で。
今のわたしが、これからやりたいことと言うのはおそらくは、エッセイというより日記をひまひまに書きつつ、ダンスとかを習って、そして今まで通り、普通に買い出しして、近所の店でお惣菜を買って、そして体をゆっくりゆっくりと絞って、(ちなみに半年で3kg未満しか落ちてないので、本当にスローペースだがそれでいいと思う、)で普通に暮らしてゆきたいんですよ。
ちなみに、もうパートナー云々は要らない。不要でそして面倒である。それよりも、よりしっかりした支援の枠組みを作って、人に相談できる体制作りをして、万が一(でもないと思うが、)憲法が改正されても生き延びていける未来を構築してゆくことである。
繰り返すが、これは現在の私が何ができるようになるか?にひとえにかかっている。そして、私が今やりたいのは健康な自己肯定感を作ることである。それがなかったので、どこへ行っても何をしてもやりづらかった。
こうして振り返ってみると、実は私は現代詩とかいうものにそもそもあんまり向いていなかったのかも知れないです。