カフェみくみく

まったりと生きる。時には忙しく時にはのんびりと。家事が好き書くことが好き。

父。

母親が、死に瀕してようやっと私が気づいたこと。
父親は俳優で言えばジャン・レノだった。
決して線の細いインテリジェントな人物ではなく、無骨で実直な現場の人間だった。
素朴で両親思いの父は、祖父の果たせなかった夢を叶えようと、30まで生真面目に作家志望のための勉強を家でしていたけれども、
それは全然父の性には向いていなかった。せっかく入った東京大学でも父に振り向く人はあまりいなかった。
父は、30を超えて美しかった母と結婚してから、家族のために本当に献身的に働いたけれども、母の狂った本能の暴走を止めるのはとてもとても難しいことだった。
退職して、引退生活に入ってから、質朴な父の性格は変化した。母の魔手から、娘の私をそれとわからないように必死に守るようになった。
人生の最後の最後の十年間を、ちょっと甘い父親は軽率極まりなかった私と一緒に黙って朝の街を歩くように、心配しながら歩んでくれた。

 


映画「レオン 完全版」日本版劇場予告