カフェみくみく

まったりと生きる。時には忙しく時にはのんびりと。家事が好き書くことが好き。

コンビニ人間。

これはもうすごいぞ!

私は、1964年の小島信夫の「抱擁家族」以来、日本の小説はテーマ的に止まっているとずっと思っていた。
恋愛によって築かれる核家族は、もうとっくの昔に崩壊している。その、精神的あるいは肉体的崩壊を、密かに皆、隠しながらどこかに、親とは違う真の愛で、自らを救ってくれる人がいると信じてきた。それが、現代小説と言うものの本質である。
ところが、この村田沙耶香の「コンビニ人間」は違う。
社会のマニュアルに従う事、例えうわべだけでも資本主義の一兵士になることこそが、この狂った普通の家庭から逃れる道なのであると、高らかに宣言している。そこに、哲学的思弁をめぐらして本当の意味での社会の落ちこぼれになってゆく、白羽と言う男(これは、ある意味今までの現代小説家のカリカチュアにも思える)の参入する余白は、ないのだ。
清清しいまでの、「ポスト現代小説」の誕生である。

 

コンビニ人間