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カフェみくみく

まったりと生きる。時には忙しく時にはのんびりと。家事が好き書くことが好き。

原点。

役に立つとか立たないとか、そういうことについて。

私の両親と言うか家族は、学歴的にも経済的にも恵まれていたけれども、なぜか私に対して無関心だった。

学校でも、吃音がひどかったせいか私はいつも孤立していた。

青春期に、志望校に落ちたりといろいろと挫折して、とうとう入院することになった。それは、千葉の僻地の隔離病棟だった。

今、思い出すとその八か月は本当につらかったけれども、不思議なことに奇妙な懐かしさもあった。

彼ら、つまり重度の知的障碍者の人たちと一緒にのタコ部屋に閉じ込められていて、十二人分の布団を敷いたりまた畳んだり、たまに程度の一番軽い人から飴を貰ったりもしていた。

彼らはほとんどが言葉を解さなかったけれども、ちゃんと私の表情や行動を観察していた。

一人の人間として、いちばん生な形で普通の態度ではなかったけれども、私自身とちゃんと言葉抜きにコミュニケーションしていた。相対していた。

皆で酷暑の中、スイカ畑の中をぽこぽこ歩いて炭酸飲料を買いに言ったりもした。おにぎりを取り合いっこもした。

あの、狭い十畳の部屋に、私に関心のある人間たちがいた。

両親と家族と暮らした、立派な本棚の沢山ある家に、それはついになかったのだ。